節電に役立つ断熱二重窓を内窓キットを使ってDIYしよう!

節電に役立つ断熱二重窓を内窓キットを使ってDIYしよう!

一般家庭の電力使用量で大きい割合を占めているのが夏冬の冷暖房。節電のためには室内からの熱のロスが最も大きいといわれる窓の放熱対策をして、冷暖房の効率をアップすることが必要だ。その対策として効果が高いとされている二重窓を、DIYで作ることができる内窓がキットになって販売されている。この「エコな簡易内窓」はDIY仕様なので加工と取り付けが簡単。価格もお手ごろなので、複数設置しても家計にやさしいところがうれしい。ここでは実際の取り付け工程を詳しく解説するので、DIYを迷っている人はぜひ参考にしてほしい。

[エコな簡易内窓の特長]

今回紹介するのは、ガラスの代わりにプラスチック(中空ポリカーボネート)をを採用した内窓製作キット「エコな簡易内窓」。内窓をつけることで空気の層ができ、冬は冷気の侵入をブロックして室内側の窓面温度を約8℃改善。電気代を25〜35%節減できるというスグレモノだ。ポリカーボネートにはUVカット効果があるので、紫外線が強くなる夏は冷房効率のアップとともに、日焼けや退色といったインテリアの傷み防止にも効果があるだろう。
(※数値はメーカー調べによるもの)
この内窓キットは、使用している材料が金属よりも熱伝導率が低いプラスチックであることもポイント。冬でも窓フレームやレールが冷えにくいので、汚れやカビの原因になる結露の発生を抑えて、窓まわりを清潔に保ちやすくなる。

取り付け作業は、材料を窓枠のサイズに合わせてカットして両面テープで固定するだけと、とても簡単だ。ネジを使わないので、賃貸物件にお住まいで夏冬の節電に頭を悩ませている人もチェックしてほしい。

<エコな簡易内窓の種類>
取り付ける窓枠のサイズに合わせて4種類から選ぶことができる。
・Mサイズ:幅1800×高さ900mm以内の窓用
・Lサイズ:幅1800×高さ1400mm以内の窓用
・ロングサイズ:幅2100×高さ2200mm以内の窓用(面材は別売)

[エコな簡易内窓を取り付ける]

「エコな簡易内窓」を取り付け可能な窓は、垂直な壁にある引き違い窓で、クレセント錠の持ち手部分の最突端から窓枠端まで30mm以上の余裕があるもの。また、窓枠に、割れ、腐り、歪みなどの著しい傷みがある場合も取り付けできないので、購入前によく確認しておきたい。

【用意するもの】

・「エコな簡易内窓」キット(窓枠に合うサイズのもの)
・カッター
・メジャー
・長い定規(曲がりのない木材などでも代用できる)
・油性ペン
・静電気防止クリーナー

キットには、窓枠に取り付ける上下のレールと左右のカバー、中空ポリカーボネート板の面材、縦横の窓フレーム、取り付けに使用する両面テープ、金ノコ、タッピングネジなどが付属している。

【取り付け手順】
※今回は撮影用に作った窓枠を使っているため、サッシ窓が入っていない状態で作業しているが、実際にはサッシ窓の室内側に「エコな簡易内窓」を取り付ける。

1.窓枠のサイズを測る

上の写真に矢印で示した縦3カ所、横2カ所、対角2カ所の内寸を測って記録しておく。黒色矢印で示した対角の計測は窓枠の歪みをチェックするためのもの。2カ所の寸法の差が5mm以上ある場合は窓枠が歪んでいるので、内窓を取り付ける前に窓枠の補正が必要になる。「エコな簡易内窓」を購入する前にチェックしておくのがおすすめだ。
※画像クリックでダウンロード

キットに付属している取付説明書には寸法の記入欄が設けられている。測った数字をここに書き留めておくと、各パーツを加工する際に便利だ。

2.レールと横カバーをカットする

窓枠に取り付けるパーツは、上レール、下レール、横カバー(写真左から順に)の3種類。上レールと下レールは溝の深さが異なるので、取り付ける際は間違えないように注意すること。


[1]で測った寸法をもとに取付説明書の指示に従って各パーツの長さを決め、カットする位置に油性ペンなどで印をつける。


金ノコを使ってそれぞれのパーツをカットする。

3.窓枠にレールと横カバーを取り付ける

上下レールと横カバーの裏面に、両面テープを貼り付ける。


窓枠への取り付け位置を決めて、最初に上下のレールを貼り付ける。レールは窓枠の縁にそろえると、合わせやすい。


上下のレールに端を合わせて左右の横カバーを貼り付ける。横カバーは右側と左側とで向きを変える必要があるので、先に取付説明書を確認しておこう。ここまでで窓枠側の作業は完了だ。

4.面材をカットする

中空ポリカーボネートの面材に、取付説明書に従って算出した寸法で線を引く。面材は素材の筋がタテ向きになるように使用するので、寸法を出すときにタテ、ヨコを間違えないように注意しよう。


大型カッターと定規(金属製のカット定規が安全でおすすめ)を使って、面材を寸法通りに2枚カットする。

5.窓フレームをカットする

窓フレームは、取っ手付きのタテ用を4本、取っ手なしのヨコ用を4本使用する。


取付説明書に従ってタテ用、ヨコ用それぞれの長さを決めて、金ノコを使ってカットする。

6.面材に窓フレームを取り付ける

面材についている保護フィルムをはがす。


素材のポリカーボネートは静電気を帯びやすいので、ゴミやホコリを吸い寄せないように静電気防止クリーナーを塗って表面を処理しておく。吹き付けたクリーナーをウェスで全体にまんべんなく伸ばしたあと、きれいなウェスで余分を拭き取っておく。


面材にフレームを差し込んで取り付ける。フレームは一方の端を奥まで差し込んでから、順に押し込んでいくのがコツだ。


タテフレームは2枚の窓で取り付ける向きが異なるので注意。左奥側(室外側)の窓は、取っ手の向きが一方は室外側、一方は室内側を向くように互い違いにセットする。


右手前側(室内側)の窓は、両方とも取っ手が室内側を向くようにセットする。

端をそろえながら4辺のフレームをセットして2枚の窓を完成させる。

7.レールに窓をセットする

左奥側の窓から上レール→下レールの順に差し込んでセットする。左奥側の窓は左の取っ手が室内側に、右手前側の窓は両方の取っ手が室内側に向くようにする。


「エコな簡易内窓」の取り付けが完了!! 内窓は左右にスライドするので、換気や窓の掃除は従来どおりに行える。また、断熱性能をさらに高めたい場合は、市販のすき間テープを使用するのがおすすめだ。